大会長ご挨拶

九州歯科大学副学長
口腔再建リハビリテーション学分野 教授
附属病院インプラントセンター長

細川隆司

 この度、第21回一般社団法人日本外傷歯学会学術大会を開催させていただくことになりました。貴重な機会を与えていただきました理事長の木村光孝先生を始め、役員・理事各位に深く感謝の意を表しますとともに、大会長として、謹んでご挨拶を申し上げます。 福岡県北九州市での開催を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の終息の目処がいまだ見えず、参加者の皆様の安全と感染拡大予防の観点から、今回の学術大会は誌上開催とすることと致しました。

 本大会のメインテーマは「外傷歯の予防と治療の最前線」と致しました。超高齢社会を迎えた現在、高齢者の転倒による口腔外傷が増加しております。また、歯科インプラント治療におきましても、失活した天然歯が対合歯である場合、長期経過を追って行くと補綴物の破損だけでなく、外傷によって歯冠/歯根破折を起こすことが指摘され始めています。すなわち、インプラントが発生する強大な咬合力によって、対合歯が外傷を起こす危険性が極めて高くなることが臨床研究の結果から指摘され始めており、インプラント治療が示す大きな問題点にもなりつつあります。本学会では、これまであまり論じられてこなかったインプラント治療と天然歯の外傷との関連なども含めて、最近明らかになってきた外傷歯に関する様々な課題を我々はどのように解決できるのかを考え、本学会から新たな方策が発信できる契機となるような大会になることを期待しております。誌上開催となりましたが、様々な分野の多くの皆様にご参加いただき、実りある学会になれば幸いです。